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枸杞

Author:枸杞
Livly:蕗
Tartaros:Fuki/ガイア鯖

* BL・GL・NL 雑食
* BLに偏りがち。ショタ萌
* 女の子も大好き。

→ 擬人化設定 * 蕗

→ トードリアの事情
→ 黒峰家

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うたた寝の午後
ひさびさにガッと小説が書きたくなって。

*GL注意*
私達は、隣同士の家に生まれた。
生まれた年も同じだったため、母親同士が仲良くなった。
母が忙しいときには、隣の家に預けられたりして、家族同然のように育ってきた。

私の名前は白桃。
あまり話をするのは得意じゃない。

そして、隣にいるのが氷咲。
やかましいくらいによくしゃべる。明るくて可愛くて。

私の好きな人。

母が言うに、氷咲は赤ん坊の頃から好奇心旺盛で、隣に転がっていた私ですらおもちゃのように遊んでいたらしい。
そして私はそんな氷咲から逃げ回っていたらしい。
しかしそれも自我が目覚めるまでの事。
お互いがお互いを認識するようになってからは、氷咲はまるで私を妹のように扱い、「ももちゃん、ももちゃん」と連れまわしていたらしい。
私はというと、その頃からすでに喋るのが苦手で、氷咲に手を引かれるままどんなところにでもついて行ったらしい。

私達は同じ幼稚園に入園し、卒園した。
二人でお揃いの服を着たこともあったらしい。
私達は決まって家の裏の公園で遊んでいたという。
夕飯の時間になり、母が呼びに来てくれたのをぼんやりと覚えている。

それから私達は同じ小学校に入学した。
二人、お揃いのランドセルを買ってもらった。というよりも、氷咲が勝手に決めて一緒になってたらしい。
別に、不満なことじゃないけれども。
いつも氷咲は私の一歩先を歩いていて、輝いていて、そんな氷咲を見ているのが私は楽しかった。


「ブース!!根暗!!!」
「なんであんたがひざきちゃんと一緒にいるんだっつーの!」
「うざいんだよねー!きえろよ!!」

氷咲が風邪で休んだ日の事だった。
氷咲が心配で、私も休んで一緒にいると母に申し出てみたものの、当の氷咲に
「ももちゃんが休んだら、今日の授業の内容は誰が教えてくれるのよぉー!」
と言われたので、しぶしぶ学校に向かった。
氷咲がいないだけで、違和感のある教室。キラキラに欠けた教室。
授業も、給食も、お掃除も、何もかもがつまらなかった。
息が詰まるような一日だった。
そんな放課後。
早く帰りたくて帰りたくて教室を飛び出したところで、数人の女の子に呼び止められ、そのまま薄暗い校舎の端まで連れて行かれた。
氷咲とは違う、拒否を許さない手の引き方だった。
手を放したと思ったら、直後、ランドセルを下すようにいわれ、従ったら、そのまま近くのトイレに投げ入れられた。
彼女たちは笑っていた。
私は・・・。
氷咲とお揃いのランドセルが踏まれ、汚されていくのを見て、息ができなくなった。
恐怖というより、悲しさでいっぱいで、嗚咽が漏れた。
彼女たちは私に罵詈雑言を浴びせ、
「センセーにチクったら、どうなるかわかってんだろーね!」
最後にまた、ランドセルを一踏みして帰って行った。

汚れ、変形したランドセルを抱えて、私は走って帰った。
悲しい・悲しい・悲しい悲しい悲しいかなしい。
それよりも、早く、氷咲に会いたくて。
無我夢中で走って帰った。
幸い、自分自身には手をかけられていなかったので、ランドセルを家に投げたら、すぐ、氷咲のところに行こうと思っていた。
家について、あわててドアを開けたその時。私は凍りついた。
「おかえり♪」
毛布を被った氷咲が、私の家の玄関でしゃがんで私の帰りをまっていたのだ。
動けるほどに元気になっていた安堵と引き換えに、一瞬で氷咲の目線が自分の抱えていたランドセルに移ったことを悟った。
「ちょっと!!!?? なにそのランドセル?!どうしたの!!!」
「あっ…えっと…こ、ころんだ」
「怪我もしてないし服も汚れてないし、ランドセルだけっておかしいでしょぉー!!!」
裸足の氷咲が玄関口まで駆け寄り、私は思わず後ずさりした。
「だ、だいじょうぶ だから」
「大丈夫なわけないでしょー!!!!」
氷咲は羽織っていた毛布をグイっと引き寄せ、私の顔を拭った。
走りながら泣き止んでいたと思っていたのに、私はまた泣いていたようだ。
「ひーちゃん、いた…いた い」
しかし氷咲はごしごしと拭く手を止めなかった。
「いいから…いいから!!!!」
氷咲は私に毛布を被せると、抱えていたランドセルを奪って、家の中に強引に連れ込んだ。
慌てて靴をぬいで、気が付いた。
彼女は裸足だったのだ。今の今までベッドで寝ていた病人だったのだと。
「ひーちゃん、風邪…」
「風邪とかいいから!!!」
「でも…」
「でもじゃない!」
「だって…」
「だってでもない!!」
そのまま私の部屋まで駆け上がり、ランドセルを床に放り投げ、彼女はグイッとかぶっていた毛布ごと私を抱きよせた。
反動で、ベッドに倒れこむ。
慌てて起き上がろうにも、毛布にくるまれ身動きが取れない。
そして氷咲は毛布にくるまれた私ごと抱きしめ、あやすように背中を撫でるように叩いてきた。
暖かく柔らかいその仕草に、私は思わず声をあげて泣いた。
悔しかった。
氷咲とお揃いのランドセルをぐちゃぐちゃにされて、思ってもいない暴言を浴びて。
悔しかった。
氷咲は何も言わずにただ、背中を撫で続けた。

目が覚めると、朝の10時を超えていた。
あのあと、そのまま寝込んでしまったらしい。
もちろん、氷咲はいなくなっていた。
とりあえず時間にびっくりして、あわてて母を探したが、母は勿論仕事に出かけていた。
それから、風邪をひいていた氷咲の事を思い出して、慌てて隣の家に向かった。
しかし、そこに、氷咲の姿はなかった。
氷咲のお母さんの姿もなく、
(あれから風邪が悪化して…入院しちゃったりしたら…)
いやな予想ばかりが頭を巡った。
自分が泣いていた間に、氷咲は咳をしていたのかもしれない。辛かったのかもしれない。

あぁ、自分が居るから
何もかも
自分が悪いんだ。

また声をあげて泣きたくなって、慌てて自分の部屋に戻った。
部屋の中の違和感に気付かないまま。
氷咲の匂いのする、氷咲が使ってる毛布にくるまり、誰に聞かれるでもないのに声を殺して泣いた。

(氷咲が死んじゃったらどうしよう…)


西日が眩しくて目が覚めた。
「あ、ももちゃん起きたー!ももママー!!」
「?!」
氷咲が動いたことでベッドがグラリと揺らいだ。
どうやら隣で本を読んでいたらしい。
「ももちゃん!ももちゃん、大丈夫?!」
「ひーちゃん…?」
「なぁにっ♡」
わしゃわしゃと髪を撫でてくる氷咲を見て、なぜか生きていたことに安心した。
起き上がった氷咲を捕まえて、ぎゅっと抱きしめて一緒に横たわる。
「…いきてた…」
「なーにぃー?怖い夢でもみてたのぉー?」
ケラケラと笑う氷咲に、なぜかいつも通りに戻った感じがして思わずつられて笑ってしまった。
すると母が部屋に訪れ、ケーキと飲み物を持ってきた。
「ももちゃんごめんなさいね。ママ仕事でごはん用意し忘れちゃって。なんか欲しいものある?」
「わーい♪ももママのケーキ♪」
「ママ…ううん…。あっ お風呂入りたい」
気付いたら昨日からお風呂に入っていなかった。
「わかったわ。すぐ用意するわね」
母は私の頭を撫でるとすぐにお風呂の用意に向かった。
「私も一緒にはーいろっ♪」
器用にケーキを割っていた氷咲が楽しそうに言い放った。
「えっ でもひーちゃん風邪は…?」
「なおったよぉ!ももちゃんと一緒に寝てたらなおっちゃった★」
「そっか…よかった」
いつまで一緒に寝ていたのかは定かではないが、私が泣き疲れて寝てから、氷咲も一緒に寝てしまっていたらしい。
「ひーちゃん、私の分のケーキも食べていいよ」
元気になった氷咲を見ていたら、何故かとても幸せな気持ちで胸がいっぱいだった。
「えっ?!どうしたのももちゃん?お熱あるの?きもちわるい??大丈夫???」
ガタガタと立ち上がった彼女を制して隣に座る。
「ううん。ひーちゃんに食べてほしいなっておもって」
「なにそれぇー!やだやだ!ももちゃん、はい あーん」
あれよあれよと氷咲は私のケーキに手をかけ、そのまま割と大きいカットを口に突っ込んだ。
「あっはははっはは!クリームだらけー!!あはっ」
「ひーちゃん!!」
氷咲はケタケタと笑い悪びれもなく残っていたケーキを食べた。
「ももちゃん!おふろはーいろっ♪」
慌ただしくお皿を片付けると彼女は私の手を引いてお風呂場に向かった。

氷咲とお風呂に入るのは楽しい。
楽しすぎて、はしゃいではうるさいと怒られ、つい長風呂してしまい母にいい加減でなさいを何度怒られたことか。
それから夕飯を一緒に食べ、氷咲は家に帰って行った。
「また明日♪」
と言い残して。

まるで何事もなかったかのように、元通りの生活になり、氷咲の笑顔をみて安心した私は、そのまま眠りについた。


そして、朝。
目が覚めてようやく私は大事なことに気が付いた。
ランドセルが、ない。
あのぐちゃぐちゃになってしまったランドセル、いや、氷咲とお揃いの大事なランドセルが…ない。
氷咲は何も私に聞かなかった。
だから私も何も話していない。
ランドセル…いつからなくなっていたのかわからない。
大事なもの。大事な大事なもの。
母が捨ててしまったの?そんな…。
慌ててリビングに降りると、そこには氷咲が座っていた。
「ももちゃん遅いよー!今用意できたところだけど!」
そういって彼女が叩く机の上には、2つのお揃いの肩掛け鞄。
厚さからして、中身が詰まっているように見える。
「な…に?」
「ぅん?なにってぇー、ひーとももちゃんの新しいカバンだよぉ♪」
だって…私の…ランドセル…
「ももちゃん、知ってる?小学校だからってランドセルで学校に行かなくてもいいんだよ?」
きゃっきゃとして彼女は私の肩に鞄をかける。
「だーかーらー、ひーとももちゃんは今日からランドセルをやめまーす♪」
いいじゃんいいじゃんー!やっぱちょーかわいいー!
と氷咲は私の周りをぐるぐるまわって笑う。
「私はももちゃんとお揃いだったら人と違ってもぜんぜんいーの♡むしろ二人だけ特別って感じでいいよね!あはっ♡」
慣れない鞄にもじもじしていたら、カバンの重さに気が付いて、中身をあけたら、そこには真新しい教科書が入っていた。
踏まれてよれた教科書はどこかにいってしまっていた。
なんだか嬉しくてうれしくて、泣きそうになってしまった。
「ひーちゃん、おかぁさん、  ありがとう 」
泣くのをこらえて下を向いてしか言えなかったけど。
「なにいってんのももちゃん!ほら、ごはんたべるよ!鞄おろして!!」
自分でかけたくせに、今度は降ろせと。この自由人が。
でも、うれしいからいいの。
朝ごはんは、二人の好きなフレンチトーストだった。

朝、ギリギリに学校についた。
氷咲と一緒の鞄を肩にかけ、氷咲は浮かれてるんじゃないかと思うほどケラケラ笑いながら歩いていた。
手をつないで。
下駄箱の近くからいろんな人に指を差されていることに気が付いたが、ひーちゃんはいいのっ♪と言っていた。
階段を駆け上がり、勢いよく教室のドアを開ける。
「おはよー★氷咲、大・復・活!!」
しかし、教室は静まり返っていた。
すると氷咲はためいきをつき言い放った。
「挨拶ひとつできねぇクズが私のかわいい桃にちょっかい出さないでく れ る か な
僻みブスが。思い上がってんじゃねぇよって昨日のHRで言っただろーが。
はい、もう一度。おはよう♡」
すると所々から挨拶がかえってきた。
氷咲の言葉の節々に疑問を抱えて私は頭がこんがらがった。
「はい、ももちゃんもあいさつ!」
「おは…よう…」
思わぬ形でぐいっと教室に引き込まれ、勢いで挨拶が口をつく。
するといつも通りの挨拶が返ってくる。
まぁまぁね、と言って氷咲は自分の席についた。
私も自分の席に着いたが、何故か皆がこっちを見ているようで、顔をあげられなかった。
しかし、その直後先生が教室に入ってきて、普段通りの生活が始まった。

休み時間になって、トイレにいきたくなって席を立った。
すると、窓際でほかの女の子と話していた氷咲が駆け寄ってきて、私も一緒に行くとついてきた。
「お話してたんじゃないの?」
「してたよ?けどおしっこもれちゃうもーん」
いやーん と言いながら茶化す氷咲に、あっそうとだけ返して一緒にトイレに行った。

それから、お昼休みになっても、氷咲は私の側にいた。
いつもなら校庭を駆け回ってドッヂボールなどで遊んでいるのに。
「今日は病み上がりだからやめとくぅ~」
などと言って、教室で一緒に本を読んでいた。
そっか、そっか。と違和感を覚えつつも、一緒にいられるなら何でもいいと思った。

事が動いたのは、掃除の時間だった。
クラスを3分割して場所を割り当てられた掃除の時間は、氷咲とは別行動になった。
そして私はあの彼女たちを一緒の場所だった。それも、教室。
憂鬱な時間が始まり、どうしていいのかわからなかったが、何もなかったことを装っていた。
しかし、彼女たちはそれがまた気に食わなかったらしい。
「アンタ、チクったんでしょう!!」
ゴミをはいていたほうきを私の足元に寄せてきた。
それを見ていた男子驚きを見せていたが、すぐにまぁまぁと間に入ったがお構いなしと私に詰め寄る。
しかし私は逆に冷静になった。
「私は何もしゃべっていない」
はっきりとそう告げた瞬間、彼女は私の顔を叩いた。
その時、偶然にもほどがあるが、氷咲と先生が教室に入ってきた。
頬を抑える私を見た氷咲は鬼の形相で、私をはたいた女の子の前に来て、手を振りかざした。
「だめ…っ!」
間一髪、間に入って、氷咲は私を叩いた。
「あっ…!ももちゃん!ももちゃん!!!」
一瞬で青ざめた氷咲を、私はぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫、いたくないよ」
一度目と同じ場所にあたったために、感覚がマヒしていた。
それをみていた先生は、おいおいと言って戸惑っていた。
「ひーちゃんは、私の為に怒ってくれたんだよね。ありがとう」
抱きしめていた腕を緩めると、氷咲は泣きそうな顔をしていた。
「私はチクってなどいない。ここに宣告するわ。先生、私はこの人たちに一昨日ランドセルを壊されました。」
誰が見ても明らかな状況だった。だから、陰口じゃない。これは正当な報告。
先生はすでに分かっていたようで、彼女たちを職員室に連れて行った。
安堵した瞬間、今度は氷咲に手を引かれて今度は私たちが教室を出た。
「まって…まってひーちゃん、まだ掃除おわってない」
しかし氷咲は聞こえてないかのように一心不乱にある場所に向かっていた。
手をかけたそのドアは保健室だった。
「先生、氷と湿布ください!!!」
ほかの学年の子が掃除をしていたが、氷咲は目もくれなかった。
あらあら大変と駆け寄ってきた先生は、私を頬を見て、少し腫れてるわね といった。
あぁ、お母さんにおこられるな って、そんなことしか考えられなくて。
「ひーちゃん、一人で大丈夫だから。戻っていいよ」
「やだ!私のせいなのに…ももちゃん一人置いていけない!」
あらぁ?あなたのせいなの?と保健室の先生は訝しんだが、私は慌てて違うんです違うんですと否定した。
「ひーちゃん…とりあえず、お掃除の時間終わるまで一人にしてくれる?またあとで迎えに来て?」
渋る氷咲の手を握り、宥める。しかし頑固な氷咲は動かなかったので、そのまま二人で座って冷やしていた。
片手で冷やし、もう片方の手は氷咲とつないでいた。
掃除が終わるチャイムがなるまで、私たちは保健室にいた。

午後の授業に彼女たちの姿はなかったが、そのまま一日が終わった。
私達は、手をつないで帰った。
ももちゃんが怒られたら、私がちゃんと謝るから って、氷咲はずっと手を離さなかった。
家に帰っても母はまだ仕事で帰っておらず、氷咲の家にお邪魔したが、ママさんは怒りもせず氷と湿布を変えてくれた。
”お転婆な娘たちね”
そういって、薄く笑っていた。

その夜、母が返ってきてから、氷咲は母に謝っていた。
しかし、母は怒っていなかった。
「だって、あなたたち、喧嘩しないんですもの。なんか成長した感じがして少しだけ嬉しいわ。でもひーちゃん。すぐに手をあげるのは駄目よ」
氷咲は頬を引っ張られ、ごめんなひゃいと情けない声を出していた。
その夜、私たちは一緒にお風呂に入り、一緒のベッドで寝た。

次の日からまた新たな一日が始まった。

そんな小学校生活もいつしか終わりを告げた。


ーーーーーー→ continue...
livly | 2013/01/27(日) 18:42 | |


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